屈辱篇上

「え?」
 呆けた顔で千尋の顔を見る俺を見ながら、彼女たち三人はニヤニヤと笑みを浮かべていた。

 例のこと(発覚篇参照)から最初の日曜の今日、両親が町内会の旅行でいないのをいいことに、昼近くまで惰眠をむさぼっていた俺の携帯電話に一本の電話がかかってきた。
「あ! 優ちゃん すぐに家に着なさいよ! 十分以内にこなかったら承知しないから!」
 俺にそれに逆らう勇気はなかった。
 急いで着替え身支度を整えると家を飛び出す。
 そして隣の家の門扉についているインターフォンのボタンを押した。
「結構早かったじゃない」
 千尋はそう言って俺を二階の自分の部屋へと招きいれた。
 小学生のとき以来、久々に入った千尋の部屋には、思ったとおり横山綾と本田紗枝も待ち構えていた。
「優ちゃん、やっほ〜」
「元気にしてた? 優ちゃん」
 このふたりまで優ちゃん呼ばわりか……。
(あれ? 何でこいつら?)
 部屋の中にいた二人と千尋の服装を見て俺は違和感を感じた。
 そう、いつもおしゃれにかなり気を使っている三人が、無地のTシャツと短パンという格好なのだ。
「何の用事かは言わなくても想像つくよね?」
「これ以上どうした言ってんだよ?」
 後ろから声をかけてきた千尋を俺はにらみ返した。
「おーこわ」
「優ちゃん、そんな顔でにらんだらおねえちゃんたち怖いよ〜」
 口では言うものの、たいして怖がった様子も見せないで三人は笑っている。
 それよりも彼女らの言葉に気になる単語が含まれていた。
「おねえちゃんって、どういうことだよ?」
「今日はね、優ちゃんにあたしたちの妹になってもらおうと思ってね」
「え?」
 ニヤニヤと笑う三人を俺は間抜けな顔で見返すことしか出来なかった。

「とりあえずさ、全部脱いでよ。シャツもパンツもね」
「これから先、言う事聞かなかったらこないだの写真、学年中の女子にばら撒くからね」
 その言葉に俺は逆らう事も出来ずに、Tシャツ、ジーパン、靴下と脱いでゆく。
「あ、今日はトランクスなんだ」
「トランクスも持ってるんだね」
「優ちゃんは白ブリーフのほうが似合うのにね?」
「な、何を履こうがが俺の勝手だろ!」
 俺は、彼女たちの言葉に思わずむきになって言い返した。
「そりゃそうね、何履いてたって結局脱ぐんだから」
「そうそう、早く脱いでよね〜」
「……」
 俺は無言で背を向けるとトランクスを脱ぐと、中三にもなってほとんど毛の生えていない股間に生えた、自分の目にも情けないほど小さいと映るチンコが現れた。
「ほら、脱いだらこっち向く」
 綾の言葉に従い俺は振り向いた。
 当然両手で股間を隠した状態出だ。
 どうせすぐに手をどけろとか言われると思っていたが、意外にも彼女たちの口からはそんな台詞は出てこなかった。
「う〜ん、ちーちゃんやっぱ思ったより濃くない?」
「そうだね紗枝、一応中三だしね」
「おちんちんは幼稚園児だけど」
「じゃあ、やっぱり処理する?」
「当然じゃない」
 何を話してるんだ? 濃い? 処理?
「じゃあ、優ちゃんの風呂はいろっか?」
「え?」
 俺の返事もまたずに、千尋と綾に両腕を抱えられると一階のバスルームへと引きずられていった。
「ちょ、な、どうすんだよ?」
 俺の言葉を完全に無視して三人はシャワーの準備を始めた。
「早くしなさい」
 そういって俺を無理やり浴室に押し込むと、頭からシャワーを浴びせた。
 跳ね返ったお湯が千尋ティーシャツをぬらす。
 俺はこんな状況なのに下着が透けて見えるのではと千尋を見るが、その下から透けて見えるのは俺の期待したものではなくて、ハイビスカスの柄のビキニの水着だった。
「残念ね優ちゃん、お姉ちゃんたちはもう水着着てんだよ」
 俺の視線を感じた千尋がそう言うと、紗枝と綾も「優ちゃんおませさんだね〜」などとからかいだした。
「じゃあ、洗ってあげるから手は横!」
「ほら早くっ、もう優ちゃんのおちんちんが小さいのはばれてんだから、今さら隠したってしょうがないでしょ!」
 そう言って千尋と綾は俺の両手を無理やり股間からはがし、俺の子供みたいな股間が三人の同級生の少女の前に晒された。
「やっぱ優ちゃんのおちんちんはかわいいね」
「でもほら、やっぱりよく見るとちょっとだけ生えてるよ?」
「あ、ほんとだね、こないだは小ささに目が向いてて気がつかなかったけど」
「これぽっち生えてても、優ちゃんのおちんちんがかわいいのには変わらないけど」
 三人の言葉責めに、俺は返す言葉もなく顔を赤くしてじっと身を固める事しか出来なかった。
「じゃあ、もっとかわいくしようかな?」
 ニコニコしながらそう言う千尋の手には、ティー字カミソリが握られていた。
「お。おいそれ……」
 脳裏にさっきの紗枝の言葉がよみがえった。
『じゃあ、処理する?』
 嫌な予感が俺の脳裏によぎる。
「これ見れば言わなくてもなにするかわかるよね?」
「じょ、冗談だろ?」
 俺の言葉に千尋は何も答えずに黙って左手を俺の股間に伸ばす。
「はぅっ」
 突然チンコをつかまれ、俺の口からは情けない声が漏れた。
「どうせたいして生えてないんだし、赤ちゃんみたいなおちんちんみたいなんだから、周りもそれに合わせなきゃね」
「や、やめろって……」
 俺は身をよじって逃げようとするが、背後から綾に両手首をつかまれ、正面の千尋には文字どうり急所を押さえられているために、まともに抵抗する事は出来ない。
 そもそも三人とも俺より十センチくらい背が高くて、三人がかりどころか俺は一人でも腕力で勝てないかもしれない中、俺がこの中から脱出する事はほぼ不可能に近いし、逃げおおせたとしても携帯に取られた写真という弱みがあるから結局はこの場を逃げる事に意味はない。
「ちょっと待ってて、カメラ取って来るから」
 浴室を飛び出して行く紗枝。
 そして、五分もしないで戻ってきた紗枝の手にもたれていたものは、カメラはカメラでもハンディカム、ビデオカメラだったのだ。
「ちょっと、そんなので撮るのかよ!」
 俺は抗議の声を上げるが、紗枝はそんな俺の声など完全に無視して撮影を開始した。
 覚悟を決めて俺は目をつむった。今さらじたばたしてももう逃げようもないのだ。
 だけど千尋はいっこうに俺の毛をそる気配がない。
「どうしたのちーちゃん? 優ちゃんがかわいそうになったとか?」
 俺の頭越しに綾の声が聞こえる。
「いやさ」
 綾の問いに千尋はちょっとほほを染めてなんともいえないいやらしそうな表情でこっちを、性格には俺の頭上にある綾の顔を見返した。
「だって、優ちゃんのおちんちんカチカチになってんだもん、ほら」
 そう言って千尋が手を離すと、俺のチンコはピンと真上を向いた。大きさが変わらないまま……。
「ホントだ上向いてる!」
 カメラをまわしながらうれしそうな声をあげる紗枝。
「どれどれ硬くなってるのかな?」
 手首をつかんでいた綾が両手を離し、後ろから俺のチンコをつまもうとする。
 俺は身をひるがえして逃げようとしたけど、前から千尋に両肩を抑えられてあえなく俺のチンコはさえの手につかまってしまった。
「ほんとだ! 硬くなってる」
 綾がうれしそうな声を上げるが、そんなの当然だ。
 千尋の指で刺激されているうえに、後ろから綾の結構デカイ胸が背中を刺激してくるんだから、いくら屈辱的な状態とはいえ、一応は十五歳の健康的な男児だ……。
「全然大きくならないけどねぇ〜」
「これでも勃起って言うのかな? 全然大きくならないのに」
「起ってんだからそうなん?じゃないの 全然大きくならないけど」
 容赦ない綾の言葉に続き、紗枝と千尋が更に畳み掛けてくる。
 こいつら絶対サドだ!
「でもさ、いくらちっちゃくても、こんだけ上向いてるとそるのに邪魔じゃない?」
「う〜ん、ちょっと邪魔かな? これだけちっちゃくても」
「そうだよね、優ちゃんのおちんちんがこんなにちっちゃくても、たってたら処理するのに邪魔だよね」
「やっぱりこんな赤ちゃんみたいなおちんちんでも、起ってたらそるのには邪魔かあ」
 わざとらしい台詞で三人はまだ言葉攻めを続けてくる。
「じゃあどうするの?」
「元気なおちんちんをおとなしくさせる方法は一つじゃない」
 綾の問いに千尋は得意げに右手の人差し指を立てながら答える。
「ぴゅぴゅっと射精させちゃえばいいんじゃない!」
「ま、マジ?」
「うわっ! ちーちゃんだいたーん」
 千尋の言葉にさえと綾が歓声をあげる。
「こんな感じかな?」
 綾は俺のチンコとつまむ指をいきなり動かしだす。
「うわっやめろよ」
 俺はその刺激から逃げようと必死で体を動かす。
 それはもう必死だった。
 冗談じゃない、これ以上こいつらに秘密握られたら、何を要求されるかわかったもんじゃない!
「もう! 優ちゃん動かないでよ!」
「綾! 後ろから羽交い絞めにして! あたしがやるから!」
「OK!」
 千尋の指示に従い綾は俺を後ろから抱えるように抱きついた。これではいくら暴れようとしてもどうすることも出来ない、俺と綾の身長は十センチ以上もあるのだ。
 そのあと綾はバスタブの縁に腰掛けると、両足を絡ませて俺の足が閉じれないようにした。
 もうだめだ。ばれちまう……。
 そして、俺の思いとは裏腹に、俺のチンコは痛いほどに硬くなっていた。
 なんと言っても、学年でもトップクラスの美少女、しかもプロポーションもかなりいい綾に後ろから体を密着されているんだ。これで起つなというほうが無理だ。
「なんか、さっきより硬くなったかも? それにちょっとだけ大きくなったかも? って言っても三センチが三センチ五ミリになっただけだけど」
 千尋はゆっくりりと皮ごと俺のチンコをしごきだす。


to be continued later